心身探検記

健康も美容も、とりあえず試してみる。

女だけじゃなく、男もしんどいんだな。ー 彼氏うつ病再発で学んだこと。

物心ついた時から、「女って割に合わない」と思って生きてきた。

幼心に母を見ていてそう思った。

だからできる限り、「割を食わないように」生きてきた。

とにかく経済的に自立した女性になりたかったし、どんなことがあっても仕事を手放さないでいられる生き方がしたかった。

 

 

そんな私の彼氏がうつ病を再発させた。

過去に一度、彼氏はうつ病で2ヶ月休職していた。彼氏34才の時のことだ。

そして彼氏38才、うつ病再発。

今度は彼氏も思い詰めて、「休職するくらいなら、会社を辞める」と言い始めた。

1回きりの休職なら、「そういうこともあったね」で済まされる。でも、2回目ともなると、「ああ、“そういう人”なのね」と思われる。新卒で入社した会社で働き続けていた彼氏には、それが耐えられなかったのかもしれない。きっと、そういう人をたくさん見てきたのだろう。

 

彼氏は、「今の会社を辞めて、転職するとなると、収入も下がるかもしれない」と続けた。

昼下がりの喫茶店で、彼氏はとても情けない顔をしていた。

正直言って、私にとってそんなことはどうでもよかった。

 

この先結婚するとしても、別に収入が下がるからって嫌とか別れるとか考えないから。っていうかそもそも収入であなたを見てないから。私あなた養えるくらいは稼いでるから大丈夫だよ。-そんなこと言わなくてもわかってるでしょ、、と思いながらそう伝えると、彼氏は心底ほっとした表情を見せた。そして、「よかった。『収入下がるの?え~』、とか言われると思ってた」と言った。

 

え~!!

その時の私の心の叫び。

少なからず収入で彼氏を見ていると思われていたことにびっくりした。

そこそこ稼いでいることも、ずっと働き続けたいと思っていることも、彼氏は知っていたはずなのに。

そして私は知った。

見た目も中身も全然マッチョな男ではない彼氏でも、「男は働いて、できる限り多く稼いでなんぼ」だと思っていることに。

そしてそれは彼氏が望んでいることではなく、「そうでなければならない」と思い込まされていることに。

 

 

「男は働かなければならない」

「男は稼がなければならない」

どんなことがあっても。

そのしんどさを、うつ病を再発させた彼氏に学んだ。しみじみと学んだ。

だからと言って、女もしんどいけれど、男もしんどいんだから、まあ我慢しよう、、とはならない。

それはそれ、これはこれ。

 

彼氏は結局、休職して、復職した。服薬は続けている。

でも、見ていて以前よりも肩の力が抜けたような気がする。